写真撮影を始めたばかりの方々に、テキストブックの活用を考えてみましょう。
多くの初心者は、何から手をつけるべきか迷うものです。まずはカメラを手に入れ、様々な被写体にレンズを向けてシャッターを切り始めることからスタートします。写真は撮れるものの、撮った後の「次に何をすればいいのか」という疑問が残ります。
まだ写真の良し悪しを判断する基準もなく、撮影時の選択肢も分からない状態です。
写真の初心者にとっては、何から始めるかよりも、撮影への興味を引き出す「きっかけ」を見つけることが重要です。
写真には光、アングル、レンズの選択、背景といった考慮すべき要素が無数に存在します。これらを一度に全て把握するのは不可能です。そこで、一つの要素に絞り、その要素に焦点を当てて撮影を試みることがおすすめです。
たとえば、「撮影距離」に注目し、近づいたり離れたりしてその違いを体験することができます。また、「絞り」をテーマにすることで、開けたり閉じたりしてその効果の違いを観察することができます。
このようにして一つ一つの要素を試しながら、それぞれの効果を積み重ねていきます。
写真撮影は、まるで生まれたばかりの子鹿が周囲を手探りで探索する過程のようです。周囲を学びながら、自分の位置を再確認し、探求を続けながら自分だけのスタイルを見つけていくのです。
写真入門について
初心者が写真撮影の基本を学ぶのに役立つのが入門書です。これらの本は、写真撮影の基礎を理解する手引きとして機能し、絞り、撮影角度、縦横のフレーミング、広角レンズと望遠レンズの使い分けなどを説明します。
入門書のメリット
インターネットには情報が溢れており、それらは断片的で一貫性に欠けることが多いです。しかし、本は情報が整理されており、一貫性があるため、学習しやすい媒体です。入門書は、情報が組織的に整理されており、すべての内容が明確な目的に沿って配置されています。これは、私のブログのように不規則な内容とは異なります。
入門書の活用法
入門書を使いながら学ぶことで、撮影技術を完全にマスターし、良い写真が撮れるようになる可能性があります。また、写真撮影の本質についての理解も深まります。
初心者が直面する課題
しかし、初心者は撮影方法の違いを理解しても、どちらの方法が優れているかを判断するのが難しいという問題に直面します。縦横のフレーミングや異なるアングルから撮影すると、写真の印象が変わることは理解できますが、どの方法が最適かはすぐには分かりません。
教科書的アプローチと実際の問題
教科書や指導書では、しばしば具体的な解答が不足しており、「このように撮影すれば、こう見える」という説明が一般的ですが、「正解はなく、表現による」とも言われます。これに対して、「その『表現』とは何か?」と疑問に思う読者も多いでしょう。
「この場合はこの撮り方が良い」といった具体的なアドバイスが示されることがありますが、時には「逆の方法でも良い結果が得られるのに、なぜこれが推奨されているのだろう?」と戸惑うこともあるかもしれません。
結局のところ、教科書が提供しているのは「答え」ではなく「手段」に過ぎません。どのような写真を撮りたいかという目標設定は、読者自身に委ねられているのです。教科書は「こういう写真を撮りたいなら、こんな方法がありますよ」と教えてくれるに過ぎません。
写真撮影の目標は、自分自身で決めるものです。
初心者が直面する問題の解決方法
この問題を解決するためには、観察と模倣が重要です。まるで子鹿が親鹿の行動を観察し、それを真似るように、写真家もまた、憧れの写真家の作品を学び、模倣してみるべきです。
写真を学ぶ過程で、自分が撮りたい写真、好きな写真、目標とする写真を「親鹿」として選び、それを模倣しながら、自分なりのスタイルを徐々に確立していくことが大切です。
好きな写真を選ぶことは、その写真の良さを自分なりに見つけ出し、そこから学ぶプロセスを経ることでもあります。
たとえば、絞りを「広げる」または「閉じる」には、どちらが優れているということはありません。それぞれに特定の用途があり、絶対的な善悪は存在しないのです。ボケた背景が好みで、その効果を望むなら、絞りを広げることは良い選択です。広げることによって、背景のボケが強調されます。
「良い」と感じることや、好きなスタイルを模倣することは、自分の感性を形にする過程です。これは個々人の好みや評価基準に依存します。
写真では、「どちらが良いか」や「何が正解か」という判断を自分だけで下す必要はありません。好きな写真や憧れのスタイルを参考にし、それをガイダンスとして活用することができます。そして、最終的には自分自身のスタイルを確立していくことになります。
この話をまとめましょう。
初心者にとって、理解できないことから具体的なアクションを起こすことが重要です。それを繰り返すことで、徐々に上達していきます。テキストや書籍をガイドとして活用することも有益ですが、すべての答えを教えてくれるわけではありません。そのため、撮りたいと思う写真を模範にし、その判断を頼るのが良い方法です。そうすることで、徐々に独自の視点を育て、最終的には自立した写真家として成長していくことになります。
これは、初心者が経験を積んで一人前の写真家になる過程です。