ミラーレスカメラを使っている人に「素晴らしいカメラですね」と褒めると、意外にも「実はそこまで高価ではないんです。次は一眼レフにしようかな」と返されることがあります。
一般的には「ミラーレスよりも一眼レフが上」という考え方があるのでしょうか？
今回は、一眼レフとミラーレスカメラの基本的な違いを改めて見ていきます。
新しいカメラを探している方々の中には、一眼レフとミラーレスカメラのどちらを選ぶべきか悩んでいる人も多いでしょう。
この二つのカメラの違いは基本的には誰にでも理解できる内容です。
主な違いはファインダーの種類にあります。
「違いはわかるけれど、どちらが自分に合っているかが知りたい」というのが、多くの人の最終的な疑問です。
つまり、重要なのは「違い」そのものよりも、それがどう意味するかということです。
今回はこの「意味」に焦点を当てて解説しますので、これを理解すれば自分にとって最適な選択ができるはずです。
一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いについて
はじめに、一眼レフカメラとミラーレスカメラの基本をおさらいしましょう。
デジタルカメラの「画質」に大きく影響する要素は以下の三つです。
・レンズ
・センサー
・画像処理エンジン
これらはカメラ固有の要素であり、特に画質にこだわる場合は、レンズ交換が可能なカメラが選ばれることが多いです。
レンズ交換が可能なカメラとしてよく知られているのが、一眼レフカメラとミラーレスカメラです。
もちろん、これらのカメラは優れたセンサーや画像処理エンジンを備えています。
一眼レフとミラーレスのファインダーの違い
では、一眼レフカメラとミラーレスカメラの主な違いは何でしょうか。
それは「ファインダーの形式」です。
この違いが唯一であり、他の特性（持ち運びやすさや操作性など）もこの違いに由来します。
また、画質については、現代の両カメラは同等のセンサーや画像処理エンジンを搭載しているため、どちらが優れているかを直接比較することはあまり意味がありません。
一眼レフのファインダー（光学ファインダー）
一眼レフのファインダーは、レンズを通過した光がミラーとプリズムを経て直接目に届く仕組みです。
見ているのは、「直接の景色」ではなく、「液晶ディスプレイ上の映像」です。
ミラーレスカメラのビューファインダーについて
ミラーレスカメラにおけるビューファインダーは、レンズを通過した光をセンサーがキャッチし、画像に変換したものを映し出します。
ビューファインダーの種類
ビューファインダーには大きく分けて二つの種類があります：
光学ビューファインダー：これは、オペラグラスでオペラを見るのに似ています。
電子ビューファインダー：これは、テレビでオペラを観るような感覚です。
カメラのビューファインダーの重要性
カメラのビューファインダーは、撮影する範囲を決定するために不可欠です。カメラは基本的に「暗箱」であり、そこにシャッターとビューファインダーが組み込まれたものが現代のカメラです。
ビューファインダーの基本機能
ビューファインダーの主な機能は、撮影範囲を選択することです。この撮影範囲は非常に重要で、一度撮影してしまうと後で変更はできません。広い範囲を撮影してから必要な部分をトリミングすると、画質が低下してしまいますので、撮影時には最適な範囲を選ぶことが重要です。
趣味でのカメラ利用とビューファインダーの役割
趣味の写真撮影では、ビューファインダーを通じて実際の風景を「切り取る」ことが目的となります。これにより、自分の視点で現実の風景を魅力的に捉え、楽しむことができます。
一眼レフとミラーレスのビューファインダーの違い
一眼レフカメラは「光学ビューファインダー」を採用しており、直接的な景色を見ることができます。一方で、ミラーレスカメラは「電子ビューファインダー」を用いて、液晶画面上で景色を確認します。どちらを選ぶかは、撮影の楽しみ方によって異なります。
ビューファインダー間の実用的な違い
現在のところ、光学ビューファインダーと電子ビューファインダーの間に大きな実用的な違いはほとんどありません。以前は電子ビューファインダーに表示の遅延が問題とされましたが、技術の進歩によりこの問題も大幅に改善されています。残る違いはほぼ個人の撮影感覚や好みの問題です。
趣味の写真撮影では、どのようにシーンを切り取るかが重要です。そのため、魅力的な画像を捉えることができるファインダーを選ぶことが最も合理的です。実用面で大差がない場合、これが主な選択基準になります。
ファインダーは「感覚」を重視します。ファインダーは、撮影者と周囲の環境との重要な接点です。コンピューターの使用感がインターフェースに左右されるように、カメラも同様ですが、このインターフェースが画質に直接影響するわけではありません。主に操作感に影響します。
そのため、ファインダー選びは数値や技術仕様よりも、実際に使ってみた感じで判断するべきです。カタログやオンライン情報だけでは、「感覚」を見落としやすいです。カメラ操作は非常に物理的な体験であり、最終的には感覚が重要になります。
感覚から見た一眼レフとミラーレスの違いを考えると、一眼レフは「光学ファインダー」を使用し、レンズを通じて直接被写体を見ます。これは、その場に実際に存在し、参加しているような感覚を提供します。これに対し、ミラーレスの「電子ファインダー」は、液晶画面を通して間接的に被写体を見ます。この差は、撮影体験にどのような感覚的違いをもたらすかです。
一眼レフとミラーレスのファインダー比較では、一眼レフの光学ファインダーを使用すると、その場に立っているかのような直接的な体験を楽しめます。これは、見ているものが加工されていない現実そのものであるためです。一方、ミラーレスの電子ファインダーでは、画像処理エンジンを通じた加工された画像を見ることになり、これは現実とは異なる印象を与え、色補正や露出補正が施された完成度の高い写真になります。
ファインダーの感覚的違いを踏まえると、一眼レフはより主観的で参加型の撮影体験を提供し、ミラーレスはより客観的で分析型の撮影を可能にします。どちらを選ぶかは、撮影者の個々の嗜好と撮影スタイルに依存します。
さらに、ミラーレスカメラの設計は、そのコンパクトさとデジタル技術の活用により、新しい撮影方法やより多様な撮影体験を可能にしています。この進化は、撮影方法だけでなく、カメラ技術そのものの進歩を示しています。特に、ミラーレスの台頭は、タイムラグの縮小やオートフォーカスの精度向上など、革新をもたらしています。
昔は「ミラーレス < 一眼レフ」という考えが一般的でしたが、デジタル化が進むにつれ、写真撮影は徐々に精神的な作業へと移行しました。写真がデータとして扱われるようになり、「写真撮影」はデータ処理という知的な仕事へと変わっていきました。
ミラーレスカメラはこの歴史の流れを象徴しています。実際、一眼レフカメラとミラーレスカメラを比較すると、後者は進化の次のステップと見ることができます。これは、個人が自分自身を時代の流れの中でどの位置に置くかを考える際の重要な視点です。
