【選ぶべきレンズの種類とその効果】写真におけるレンズの役割

カメラレンズは「焦点距離」に基づいて、主に次の二つのカテゴリーに分けられます。

・広範囲をカバーする「広角レンズ」
・対象を大きく捉える「望遠レンズ」

これに加え、広角と望遠の中間に位置する「標準レンズ」があります。

写真に親しんでいる方々は、広角、標準、望遠の各種レンズをそろえていることが多いでしょう。

たとえば、24-105mm の標準ズームレンズがあれば、広角から望遠までさまざまなシーンに対応できます。

慣れてくると、どの瞬間に広角レンズを、どのシチュエーションで望遠レンズを使用すべきかを判断することが次のステップとなります。

特定のシーンを撮影する際に、広角、望遠、または標準のどのレンズを選ぶかは、しばしば感覚に頼ることがありますね。

場合によっては、装着されているレンズでそのまま撮影を試みたり、思いつきでズームリングを操作してみることもあるでしょう。

しかし、レンズ選択は重要な意味を持ちます。

使用する焦点距離を選ぶことは、写真の表現に大きな影響を与え、レンズを使いこなすための第一歩となります。

「このシーンは何mmのレンズで撮影すべきか」と自信を持って決められるようになると、撮影の楽しみが増し、自分の作品に対する満足感も高まります。

今回は、レンズの種類が豊富な方向けに、広角レンズと望遠レンズの使い分けに焦点を当てて解説します。

撮影を始める前に決めるべきこと

撮影を開始する前に、広角レンズ、望遠レンズ、または標準レンズのどれを使用するかを決める前に、重要な考慮事項が一つあります。

それは「カメラマンの位置取り」です。

カメラと被写体との間の距離は、被写体がどのように見えるかに大きく影響します。

近くで撮影すると、遠近感が強調されますが、遠くから撮るとこの感覚が弱まります。

多くの人はカメラのレンズが写真の描写を決めると思っていますが、これは誤解です。実際には、撮影者と被写体との「撮影距離」が写真の描写に大きく影響します。レンズは撮影範囲の広さを決定しますが、その範囲のどの部分を写すかは撮影者の位置によって変わります。

撮影時にはまず撮影者の立ち位置を決め、その位置からどのように被写体を捉えるかがレンズ選択に影響します。例えば、被写体に近い位置で撮影すると、前後の差が非常にはっきりとして遠近感が強くなります。反対に、離れた位置から撮ると、その差が相対的に小さくなり遠近感が薄れます。

したがって、レンズの選択よりも先に撮影位置を決定することが重要です。しかし、撮影現場では理想的な位置に移動できないことも多く、物理的な障害や時間の制約が立ち位置選びの障害になることがあります。

理想的な位置を常に確保するのは難しいかもしれませんが、移動が可能な場合には積極的に位置調整を行うことが望ましいです。また、ズームレンズを使う際は、レンズ機能に頼ることなく、できるだけ被写体に近づいて効果的に撮影することが大切です。

写真を撮るとき、多くの人はズーム機能を使って手軽に画角を調整しがちですが、これは実際には撮影プロセスを短縮してしまうことになります。まずは撮影位置を決め、その場所からカバーする範囲を考えてから、適切なレンズの焦点距離を選ぶべきです。焦点距離を先に決めてしまうと、適切な構図を練るステップを省略してしまいます。

写真撮影においては、意識的に位置や焦点距離を選択することが重要です。しかし、しばしばズームで調整するだけで、創造的な選択を放棄してしまうことがあります。移動が困難な状況や瞬間を逃さないことが最優先の場合は別ですが、特に理由もなく場所を変えないのは、知識不足か怠慢のどちらかです。この記事を読んでいるのであれば、可能な限り適切に位置を変えるべきです。知識は自由につながる一歩であり、その知識をどう活用するかはあなた次第です。

例えば、50mmレンズをカメラに装着している場合、そのレンズの画角に合わせて位置を選ぶことになります。これは、位置を決めた後でレンズを選ぶという逆のアプローチです。どちらにせよ、撮影位置を自分で選ばないのは問題です。正しい撮影手順では、自分で撮影位置を決めることが、撮りたい写真の内容を決める上で非常に重要です。切り取る範囲は後で調整できますが、撮影時の位置は後から変更することはできません。そのため、焦点距離を選ぶこと以上に、位置選びが重要な要素と言えます。

ここでの議論は、写真撮影におけるレンズの選択に焦点を当てています。特定の焦点距離への愛着がある一方で、立ち位置の選び方はしばしば見落とされがちです。レンズは単なる物体ですが、その使用方法が写真撮影の楽しみ方を変えるため、多くの人がレンズに重きを置いています。また、撮影の基本原理を理解することは重要で、それを学ぶ価値はあります。

レンズの焦点距離を選ぶ際には、どれだけの範囲を捉えたいかを考慮します。広角レンズは広い範囲を捉えるのに適しており、望遠レンズは限られた範囲を詳細に捉えることができます。撮影位置が決定すれば、それに基づいて写真の範囲も自動的に決まります。この選択は、どのように完成した画像を表現したいかと直接関連しています。

実際には、撮影位置とレンズの焦点距離を同時に選ぶことが多いです。頭の中にはすでに完成形の画像が存在しており、この理想の画像を基にして最適な位置と焦点距離が選ばれます。これは撮影における「逆順」のアプローチと言えます。また、その逆のアプローチとして、現在の位置から可能な撮影範囲を考える方法もあります。

最終的には、どの距離でどの焦点距離を使って撮りたい画像や写真を想像しながら、実際に試してみることが上達への近道です。このプロセスを通じて、理想の画像を実現する技術が身につきます。

この記事ではレンズの焦点距離の選び方に焦点を当てましたが、実際にはボケや収差など、他の多くの要素も影響します。これは基本的な原則に過ぎませんが、写真への理解を深めることが、より充実した撮影体験につながります。

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